まだ、朝が早いからだろうか。
いつもの公園は、相変わらず閑散としていた。
いつもなら、少しの遊具に子ども達が居るのにと思う。
「なんか、寂しいね。子ども達が居ると寂しく無いのにな。」
「子ども達が居ても、寂しいけど。」
「そうかもね。」
中に入って歩くと、ジャリっと音がする。
「とりあえず、着替えて来る。」
カバンと言って、スクールバックを預かる。
風花は、着替えが入ってるショップバックだけを持ってトイレに消えた。
だだっ広い中で、並んでる遊具。
優は、とりあえず二つのカバンを持ってブランコの所に行く。
小さすぎるブランコに乗ってこいだ。
景色が、揺らぐ。
このまま空まで行けたらいいのに……。
そしたら―。
ジャリっと音がしたかと思ったと同時に、カメラのシャッター音が聞こえた。
「良子っ!!!」
同じ制服を着て荷物を足元に置いた坂宮良子が、ファインダー越しにこちらを見る。
「優、もう一枚」
そう言って構える。
「絶対イヤ」
優は、漕いでいたブランコを止める。
「せっかく、キレイだったのにな……。」
残念そうな顔をして、カメラを下ろした。
「私、写真嫌いなんだってば…。」

