久しぶり見る純一郎は、少し、痩せて見えた。
自分の足音しか聞こえない廊下が怖い。
「何やってんだ?」
「別に……。」
少し、不機嫌らしい。
返ってきた返事に呆れつつも、少し大股で純一郎の側へ行く。
「ごめんな待たして」小さくなった気がする純一郎の頭を、くしゃくしゃと撫でた。
「別に、もうちょっと遅くてもよかったのに」
「はっ!?」
急に、訳のわからない事を言う純一郎を見下げる。
「もっと葵ちゃんと喋りたかったし~。」
ブーと、口を尖らせる。まさに、子ども。
悪かったなと皮肉まじりに言ってみせる。
その姿を見て、原口は柔らかく笑った。
「あっ、日下部先生。もうすぐ会議ですよ。」
ハッとして、開いた扉から中を除いて時計を見る。
気づけば、もうすぐ会議の時間だ。
「ありがとうございます。」
流が、軽く会釈をすると、柔らかく笑って、また自分の仕事へ戻った。
「葵ちゃん綺麗だね」
軽く上げた髪が、さらりと元に戻る。
「あぁ。」
扉の前に居ると邪魔になると思い、純一郎に目で訴えると、職員室の前に場所を移動した。
冷たい白い壁に気だるそうにもたれる、オレンジの髪。
正面から見れば、只の不良だ。

