「しかし、鍵である以前に、あなたたちは門番を司る神、キーの子供たちです」


カズヤとユミが、目を合わせる。


そして、唾をごくっと飲み込んだ。


「もし、あなたたちがいなければ、ここにいる皆様は…物語を始めることも、終わらせることも出来ませんでした」


モノガタリ…?


「つまり、この紋章には全て意味があるのです」


デイティは、悲しそうな顔をしている。


「ケイタ様とアヤネ様、あなたたちは“扉”。物語を始まらせてくれました」


確かに、最初はケイタがこの紋章について言ってきたもんな。


「あの本は、アヤネ様もすでに読んでおりましたね」


「あ、はい…」


やっぱり、この世界に来るにはあの本が必要なのか。