意識が薄れていくなか、見えるのは泣き狂っているリンの姿。


「そうです、サタン様!!さぁ…覚醒して下さい」


俺の怖れていたことが、現実になってしまった。


覚醒


やはり、リンはしてしまうのか…。


死神が、俺に近づいてくる。


「ごめんなさい、ショウタ様。あなたは邪魔なんです。


……私は死神。
死神とは、死を招く者。それにかわりはないんです」


死神が、泣いているのが分かった。


アリス、君は優しい子だ。


君に死神という宿命は、重すぎたんだ。


「ごめんなさいショウタ様…。でも、私はあなたを殺しません。あなたの命は、私の命にかえても守ります…。だってあなたは希望の光。


あなたはーーだから…」


最後の言葉は聞こえなかった。


そこで俺の意識は途絶えた。





「ショウタ様…あなたなら、運命を変えてくれるかもしれません。リン様が、もうすぐ死ぬという運命を…」


死神・アリスは、涙を流し、少し微笑み、息を引き取ったのだった…。