「後でね♥ 」
麗が、満面の笑顔で手を振って観覧車に乗り込む。
わたしも笑顔で手を振りながら見送る。
次は……わたし達の番。
乗りこんだ観覧車はけっこう広目で、4人で乗ってもよかったじゃないって思ってしまう。
繋がれた手は、けして離れる事はなくて……。
ふたりきりの閉ざされた空間に緊張する。
「仙崎さんは高い所大丈夫? 」
「うん大丈夫。田代君は?」
「情けない事にちょっと苦手かな。」
「そうなの? ムリしなくてもよかったのに……」
「男の意地かな。 ムリしても仙崎さんの喜ぶ顔見たかったから。」
田代君の笑顔が、わたしの心をギュッて掴んで離さない。
締め付けられたみたいに苦しくて、田代君の顔まともに見れない。
窓の外に見える景色が空に近付いていく。
人も、車も、建物も小さく小さくなっていく。
空に近付くたびに繋いだ手に力が入っていく。
それは、痛いくらいで。
こんなわたしを責められてるみたいで「痛い」って言えなかった。



