「俺、早瀬 幾よろしく。 檸檬ちゃん。」


 「ぁ……あの~さっきのって冗談ですよね???」


 「さっきのって???」


 「……///だからっ……」


 「とりあえず、今日一緒に帰るから逃げんなよ!!」


答えになってない。


 「わっわたし……ムリです。」


 「それはないんじゃない?? 俺のkiss奪って置いて。」


 「ぁっあれはそんなんじゃ……事故みたいなもので……」


 「問答無用!! 逃げたら殺す。」


彼が、ニヤッと口角を挙げてわたしの顎を持ち上げる。


彼の顔が近づいて、抵抗できずに固まっているわたしのくちびるを奪う。


本日2度目のkiss。


 「うぅ……ん。 」

さっきより強引なkissはわたしのくちびるをこじ開ける。


口の中に広がる、甘酸っぱさ。



 「俺のkissおしいいだろう。」

彼が笑う。

 「これっ。」

 
 「レモンキャンディ。俺の好物。」




だからさっきわたしの名前言った時、 「おっうまそうな名前。 」なんて言ったんだ。

呆然とする頭で冷静に判断しっちゃってる。


 「さっきのkissが事故って言い張るなら、これが俺らのFirst kiss。ってことで。」

 
 「さっきもこれも事故なんだからっ。」

シ―――――ンと静まり返る渡り廊下にまたわたしの声が響く。


 「頑固な奴。 俺は授業サボるつもりだったからいいけど、檸檬ちゃん大丈夫??」

彼が笑う。


いっきに現実に引き戻される。