彼女の腕は簡単に彼に掴まれて彼の綺麗な顔まで届く事はなかった。 彼は、学校一のモテ男(お)君。 彼を知らない子はいない。 みんなが彼に近付きたくて必死……。 そんな彼の修羅場。 もうみんな驚くこともない。 彼をみんなチャラ男と言う。 地味で、目立たないわたしには一生関わる事のない人だと思っていた。 彼女は彼の手を振り払うと、走って去っていく。 彼と目が合った気がしたんだ。 太陽の陽が眩しくて上を向いた彼と。