2003.某日


闇につつまれた海に
一つの月明り。

ふらりと散歩をしていた。
ぼんやり波に揺れる月の光を見ながら…

その光に吸い寄せられるように何かが流れて来た。

よく目を凝らして見た
何やら…人の髪の毛のようだ。
まさか、そんなまさか…
心臓の音を無理やりなだめながら
さらに近付いてみる。
黒い物体はゆっくりゆっくり…

光の元へ…

月明りに差し掛かり

その光とシンクロした時





確信した。




やっぱり…




屍体。





思考回路が働かなく一時呆然としてしまった。



その時


屍体を見て呆然としていた私の背中で
ただならぬ気配を感じ取った…

おかげで我に返った!!
何かが近付いてくる…



こちらに向って一目散に…。

月明りを背にしたその男は
全身血だらけ…
しかもその手には
光るものがっ!!


血とか付いてるしっ!!



こないでっ…


やめてっ…

こないでっ…


お願いっ…



助けて…








ギャーッッ!!!!!!!!!!