あの紅さは、今思い出し
ても本当にキレイだ。




あの紅を、あのときの
お兄ちゃんはどんな
気持ちで見てたんだろう。




そして今、どんな気持ちで
思い出してるんだろう。





――あたしを抱きながら。





押し殺した声と同時に
細い涙が一筋、頬を伝って
シーツに落ちた。






       ***




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