体が暖まるし疲れがとれる
からって、ほんの少しだけ
甘くしたのを、あたしも
よくリクエストされたっけ。




「紗耶も飲む?」




「あ、いいよ。
飲むけど自分でいれる」




立ち上がりかけたママを
手で制して、あたしは
台所で自分用のココアを
いれてリビングに戻った。




ママの隣に座って、
しばらく一家3人での
ティータイム。




手の中のココアがだいぶ
ぬるんだ頃、ママが
ポソリとつぶやいた。




「ねぇ、紗耶。

家族って何なのかしらね――…」



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