まるで嵐の前の夜の森に、
一人で立っているかの
ような……。


そんな抑えようのない
不安が、足元から静かに
のぼってきた。




あたしは今、どんな歯車の
中にいるんだろう。




見えない不安に掻き立て
られながら、あたしは
逃げるようにリビングを出た。






       ***



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