あたしは戸惑いを隠せない。




どうして、何も聞かないの?




気にしてないはずないのに。




……長めの髪のすき間から
覗く横顔は表情がなくて、
お兄ちゃんの心の内は
見えない……。





あたしがどうしていいか
わからずその場に立ち
尽くしてると、もう一度
お兄ちゃんがあたしを見た。




「どうした?

……さっさと荷物置いて
きたらどうだ?」




「あ、う、うん……」




心がザワザワと音をたてる。



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