《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜

……その時、ふと。





心の片隅に、あるものが
思い浮かんだ。




というか正確には――

ある人の顔を、思い出した。




だけどその人はもういない
から、あたしの意識は
その人が最後に残した
ものを、思い出して――…。




(そういえば……あれは
どこにしまったっけ……)




もらったその日にちょっと
したことがあって、結局
中を開けることもないまま
しまい込んでた。




まぁもらった時には、
『こんなの見てやるか』
くらいに思ってたけど。



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