「そういうことなんだよ。


人の感情っていうのは、
ひとつの説明では言い表せない。

相反する思いがせめぎ
あって、自分でも答えが
出せない。

――そういうことだって、
あるんだ――…」




そう言ったきりしばらく
黙り込んでしまった
直杜に、愛未はなんと
声をかけていいか
わからなかった……。






       ***



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