誰もいない教室で…… 健太に抱きしめられた。 「お疲れ様」 そう、大好きな人の声が耳元で囁く。 それだけで顔も体も熱くなって、動けなかった。 健太のぬくもりが疲れた体を少し癒してくれた。 でも、それ以上に心拍数が上がって、どうしていいのか分からなくて。 うつむいたわたしに健太がもう一度囁いた。 「杏。オレ……杏のことが好きだ」