「先生、杏と何を……」 「悠ちゃん、こっち来て」 わたしは悠ちゃんを引っ張って隣に立たせる。 「健太、いつも弟の悠里がお世話になってます」 そう悠ちゃんの頭を下げた。 「……は?」 ワンテンポ遅れて健太が声を出した。 キョトンとした健太の顔。 そりゃー無理もない。 「杏ねぇ、ごめん。聡美さんから話は聞いた。先生と付き合ってたの? オレ、彼女って紹介してまずかった?」 「うん、相当……ね、健太?」 ポンと健太の腕をたたく。