「隣の席に、なれたらいいね」 私を見上げる結城に私は わざとらしく大きな声で言った。 隣の芹沢に聞こえるように。 無駄だって分かってても ヤキモチ、妬いてほしかった。 私の好きな人は あんたじゃなくて結城なんだって 見せ付けてやりたかった。 「啓太ーっ。絶対隣の席に なろーねっ♪」 ざわつき始めていた教室が 一瞬にして静まり返る。 大声で叫んだのは…智子だったわけで。 「何あいつ…うぜー」 「ってか絶対遊ばれてるだけじゃん。 普通にブスだし。」 なんて女子の醜い声が 次々にあがる。