ピンク色のヘッドフォンを 耳にあてて黒いシンプルな携帯を 片手に柱に寄りかかるその男は 間違いなく芹沢だった。 -トクッ、トクッ 心臓の鼓動がはやまる。 どうしてだろう。 どうして彼はいつも私の 中から消えてくれないのだろう。 どうして... この人の中から 簡単に見つけられてしまったんだろう。