誰よりも、君がすき。

その時、さっきまでなかった
筈のスカイブルーの付箋が
筆箱に貼ってあるのに気がついた。

「何よ、これ。」

そっと剥がして目を細める。

“井原ちゃんって

彼氏いる?”


井原ちゃん...

『智子?』
口をぱくぱく動かして
智子の席を指差す。

「そ。井原ちゃん」

「何でよ?」

なるべく授業を聞いてるように
みせるため、ノートをとる
ふりをしながら尋ねる。

「...理由必要?」

「当たり前でしょ。」

「好き、だから。」

その言葉にシャーペンを
握っていた手を止めた。

…好き?