「ちょっとだけ、いい?」


そう聞かれ、私は小さく
頷く。

...なんだろ。


「昨日、みんなの前であんな
こと言って、悪かった。
だけど、俺」


息を呑んで続きの言葉を待つ。


「適当に流したくなかった。
森崎たちはどうせ本気で俺を
好きじゃないって分かってる。
けど、浅野は…。軽く流しちゃダメ
だって思ったから。」


「...流してほしかった。
軽く見られてもいいから、芹沢
くんの口から聞きたくなんて
なかったのに」


また泣きそうだったけど
困らせない、って決めてたから。


...我慢しろ、自分。


「浅野は、上手くいえないけど
俺にとって大切な存在だから」


ウソつき。

私を傷つけないように
慎重に言葉を選んでる芹沢に
無性に腹がたった。