「おっはよ~」


そのいつになくハイテンション
の声に私は肩をすくめる。


だってその声の
持ち主は、芹沢だから。


「啓太っ、おはよ~」

「ねーねー啓太。今日からおけ
いかな~い?割引のチケット、玲が
もってんだよねー」


「悪いけどパス。楽しんできてよ。」

「えー残念。啓太がいないと
つまんないし。」


悪い、悪い。そういいながら
芹沢はこっちに向かってくる。


....こないで。



「....浅野」


その場から逃げたくて立ち上がった
私に後ろから声が掛かった。


...どうして?

不安げに振り返ると
困ったように笑う芹沢がいた。