中に入ったあたしは、ソファーの上に座った。
なにこれ……すごいふわふわ…。
雲の上にのったんじゃないかってくらいの心地好さ。
このソファー…絶対高い。
美岬…ってお金持ち?
このマンションも家賃高そうだし。
「おまたせ」
そんなことを考えていると美岬が入ってきた。
オレンジジュースとお菓子、そしてなにかの機械を持って…。
「はい」
「ありがと…」
渡されたジュース。
ふいに手が触れて、なぜだかドキッとした。
びびってんの?あたし。
いつもあんだけ男にびびることなんてなかったのに。
ただ、一人をのぞいて。
「どうしたの?」
「あ、なんでもない…」
ハッとした。
あたし…。
嫌なことを思い出した。
昔の嫌な記憶。
消え去ってしまえば、今もまだ…恋愛ができるかもしれないのに。
「電気消すね…」
ぱちんと言う音がすると、部屋は暗闇に覆われる。
「寝転んで天井見てて」
正直、他の男にこんな風にされたら、言うことは聞かない。
むしろ電気を消した時点で、きっと出ていくだろう。
そもそも、その前にのこのこついてこない。
あたしがここまでついていってるのは……………美岬……だから…?
ソファーに寝転んで天井を見上げる。
美岬はあたしの下で床に寝転び天井を見上げてた。
「あっ、場所変わった方がいい?」
「いいよ、気にしないで」

