朝のことがあって詩織とは全然喋ってない。
詩織は申し訳なさそうに、心配そうにあたしを何回も見てる。
気づいてる、詩織の視線。
だけど見て見ぬ振りをする。
後で冷静になって考えて見たんだ…。
悪いのは全部あたしじゃんって。
桐谷純のことももうよかった。
ただあいつのことを出されて自分の苛々が爆発しただけじゃん。
あたし、かっこわる。
なにも悪くない詩織に当たって。
詩織にちゃんと後で謝らなきゃ。
「ねぇ、ミヤビ」
「ん〜?」
「昨日どうだった?」
梨紗ちゃんがあたしに声をかける。
「どうって…」
意味がわからないんだけど…。
「だってねぇー…ミヤビが出てった後に泉くんも出てったんだもん…あやしぃなぁーって!」
梨紗ちゃんの言った言葉の中にある“泉くん”って単語になぜか異様な気分になる。
「別になんもないよ?」
無理矢理笑顔を作ってそう言うと梨紗ちゃんはやっぱりと言うような顔をして言った。
「お互いにそーゆうの興味なしって雰囲気だったもんねぇー」
あたし、なんで笑顔作ったんだ?
いつもなら自然に笑えるじゃん。

