そう言いながらも結局、動物園のすべてをまわった。
「はぁ~疲れた。けっこう歩いたぁ」
ベンチに座った花恋。
動物園について、パンダを見た瞬間テンションMAXになった花恋。
相変わらずしゃべらない瞳。
と、俺。
このふたりは超ー大変だ。
テンション上がっちゃって、あっちこっちに走り回る花恋だし…
瞳は静かすぎて見失うし…
はぁ~~、ある意味疲れた。
「そろそろ行きますか?」
と、俺の隣に立っている瞳が俺らに言った。
「うん、時間ないしね。行くか」
時計を見ながら答えた。
残るは、ベンチに座っている花恋ただひとり。
「えぇーーーー、待った!!!最後に、パンダ見たいっ!ね!?」
出たよ…
花恋のワガママ。
すごいんだよ、これが。
「さっき見たじゃん。しかも、30分も!」
始めに見たときは花恋がパンダに釘付けで、動かなくなってしまったんだ。
「ヤダぁぁあー!!ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ」
本当に子供みたいだ。
ベンチから1歩も動かなくなってしまった。

