ただ単に俺は驚いた。
友達に“戻ろう”じゃなく
“なろう”。
またゼロからのスタートを切り出そうとしている翼。
花恋はなんて答えるんだろう?
その言葉をじっと待つ。
「えっと…あの時はごめんね?だから…友達。…なろう?」
花恋は意外と平然に答えた。
「ほんと…に?」
恐る恐る声を出し、問いかける翼。
「うんっ!」
「絶対に許してくれないと思ってた…。うちのせいで颯が死んじゃって、なんて言えばいいのかわからなくて……」
俯きながら必死に話す。
その声は震えている。
「もう、そういうのはいいの。うちは…またさ。つーちゃんとバカ騒ぎしたいもんっ!」
「うん…うんうん…。」
「なに?泣いてんのーっ!?」
花恋が翼の肩を叩きながら、茶化す。
「泣いてないよー!」
翼は顔を上げた。
目には涙を浮かべていたが、そこには笑顔があった。
「も〜、久しぶりに花恋見たけど。こんな生意気になって〜」
「は〜?つーちゃんは年取ったねあはあは」
「なにぃー!?大人っぽくなったって言ってよ」
「はいはい。あはははっ」
“つーちゃん”
そのあだ名は今も残っている。
ふたりは、また笑い合うことができる。
それが何より嬉しかった。

