俺は日直だから先生に呼び出されて、職員室に向かっていた。
廊下で俺の横を竜也が通過した。
「竜也ーーー!!あたしと遊ぼぉお~?」
ブリっ子で甘え声を出しながら、竜也のもとへ走っていく女子も続いて通過。
「なんだよ、またお前かぁ。俺のこと好きなんかぁ?」
「うん!!大好きぃぃ~。竜也だぁぁい好きっ!」
後ろを振り返ると、その女子と腕を組んでいる竜也。
なんだよ、あいつ。
いろんな女子に笑顔ふりまいて…
最悪だな。
そんなことを思いながら、職員室に到着し扉を叩いた。
「失礼します。先生、なんですか?」
呼ばれていた社会科の先生のもとへ行き言った。
「あ、これを図書室へ運んどいてくれ。次の授業で使うんでね」
渡されたのは社会の授業で使う大きな世界地図。
「あ…はい」
「悪いな」
「失礼します」
「おう、ごくろうさん」
職員室を出た。
その少し重い地図を持ちながら図書室へ歩く。
ガラガラガラ----
入ったけど、物音ひとつしない。
誰もいない?
なんかやけに怖いな、図書室は。
机の上に地図を置いた。
ん?
「………っ……っ…」
何か聞こえる。
誰かいるのかな?
耳を澄ましてみる。