「花恋。やめろよ…しょうがないことだったんだよ…」 直輝が揺すっているうちの腕を止めた。 「しょうがないじゃないよ…!!離してっ!!」 そんな言葉で片付けられたくない。 誰もわかってくれない。 今の気持ちを。 うちは直輝の掴まれた腕を振り払い去った。 バカ男とバカ女。 つーちゃんなんか、マジ大嫌い。 うちの颯を殺した---- 「返し…て。うちの、颯を…ねぇ。っあ…」 急に涙があふれ出し、前が見えなくなった。 ひとりで階段にしゃがみ込む。 ねぇ。 うちの颯を返してよ… 颯…。