ここには、僕が委員会で世話をしているウサギ小屋がある。
そのウサギ小屋のとなりに座りこんだ僕。
行き場所なんか分からなかった。
でも、ここならひとりになれると思った。
「ごめんね、花恋…ごめん。僕」
ほんと、最低だ。
僕って…
「うっ…ひっく。うぅ」
僕の目からはたくさんの涙が出てきた。
拭いても拭いてもあふれてくる。
その時。
土が踏まれる音が聞こえた。
あ、どうしよう。
誰か来る。
涙拭かなきゃ…
「おい。男のくせに泣いてんじゃねぇよ」
「えっ…」
僕は、上を見上げると花恋が目の前に立っていた。
「花恋…!ごめんね、僕……ごめん」
嗚咽で上手く声が出ない。
「知ってるよ。英斗に言っちゃったんでしょ。だから…直輝と絶交しに来た」

