言ってしまったあとに気がついた。
あっ…
言っちゃった…。
僕は、席を立ったまま固まった。
「は…?なんだよ、それ」
英斗もびっくりして、固まった。
2人の間に静かな空気が流れた。
「……っ!」
その時、僕はがむしゃらに走りだした。
「おいっ!!直輝。待てよ!?」
英斗の声が聞こえる。
それでもただ走った。
僕は、その場から逃げたかったんだ…
そして、1人になりたかった。
キンコーンカンコーン――。
授業の開始のチャイムが鳴っている。
それでも僕は走って、上履きのまま学校の裏へ走った。
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