きいろい青空【完】




………つまんないし。



昼休みだって言うのに。


美久は委員会の集まり、直輝と英斗は体育館へバスケしに行って…うちひとりぼっち。





つまんないから、保健室でも行こっと。




と思い席を立った。



その時。




「東京見学は楽しかったですね!!花恋ちゃん」




いきなり後ろから瞳に話し掛けられた。


うっざ。




「あ~そ~ですね~」



振り向きもせずに、うちの空返事。



まったく相手になんかしてないし。




「なんか、いろいろごめんなさい。告白なんかしちゃって…びっくりしましたよね?」



「別に」



こんな奴ほっといて行こうと歩き出した。



「でも、私もびっくりしました。コンタクト!!」




それを聞いて足が止まった。




「……なんで?」



ここでやっと振り返り、瞳と目を合わせた。




「だって、嫉妬ですよね?メガネでかっこいいって言われて、メガネをはずしてほしかったんですよね?」



やけに笑顔で話してきて、よけいにムカついてくる。




「……は?」



「それって直輝くんが好きなんじゃないんですか?!」



「好きじゃねーよ」




「だめですよ?二股なんて」



真っ直ぐ目を見て訴えてくる瞳。





「好きじゃねーって何回言えばわかるの!?」



だんだん声が怒声に変わる。




「自分の彼氏もっと大事にしたほうがいいんじゃないですか?」




次の瞬間、体の中の何かがプツリと切れるのを感じた。




うちは瞳の胸元をつかみ、平手を振り回した。




パンっ-----!!



瞳は勢いでよろけて、その場に倒れた。