「―――ンッ…」

私の眼前には間部主任の顔が見える。

私の唇は、主任の唇でもって塞がれてしまった。

そのまま主任は私の唇を割り、私の口を犯し始めた。

「ハァッ、あ――…」


熱くて、熱くて。

その熱さから逃げてしまいたいくらいなのに、身体の力は反比例して抜けていく。

主任の手は私の後頭部を支え、逃げたくても逃げることができない。

窒息してしまいそうな永いキスに、私は限界を迎えた。

間部主任の背中を何回も叩き、私はやっと解放してもらうことができた。



「―――ずるいです!」

流れる涙を隠すこともせず、私はそう言ってその場を離れた。

初めてのキスは、涙の味がした。