二人きりになった屋上で、間部主任は話し続けた。
「昨日の…美和は、昔つきあってた女で、昨日は偶然」
「…いです」
「え?」
限界。
間部主任の口から、もうこれ以上は聞きたくない。
私は主任の言葉を遮り、顔を上げた。
「聞きたくないです」
「有紗ちゃん!」
「…なかったことにしてください」
そうだ。
離れてしまえば、もう苦しまなくてもすむ。
「別れましょう。それがお互い―――…」
私が震える声で最後まで告げようとすると、口を塞がれてしまった。
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