女の人と、どっちが支払うかで、言い合いみたいになった。


そうこうしていると、



「「あっ!」」



お互いに財布を落としてしまった。




「ごめんなさい。」




そう言って、財布とちっちゃな手帳を拾い上げた。



「えっ!?」



俺は自然と、声を上げていた。


女の人が落とした、ちっちゃな手帳の表紙。



そこには、




『2年 岩崎マリ』




そう、書かれていたからだった。


相手もそうだったらしい。





「優真君...なの?」



そう、確かに言った。




「岩崎さん...なのか?」


「...うん。」





...信じられない瞬間だった。



           優真side  END