この世には、創れる者と、模倣する者しかいない



だとすれば、幸春は創れる者だ。

きっと私は模倣する者。

だれかが、自分の都合のために創った法を、創った罰を、信じ、恐れる者にすぎない。

一を知り、十を創る幸春にとって、模倣する者は愚かなものにしか見えないだろう。

人魚の法に縛られ、ただ一方的に王子を愛し消えていった人魚姫のことを愚かだと哂い、無残だと傷つくのだろう。

ああ、悲しいことに、私は人魚姫とそっくりだ。