クルリ、と沙羅は俺の方を振り返った。 今俺達を繋いでいるのは、繋ぎ合っている手のみ。 「どうした?」 なるべく明るく言った。 最後くらい、いつも通りに送ってやりたい 「…『また明日』。」 えっ? その言葉に、一瞬驚いた。 けど、沙羅の笑顔を見て、俺も笑って言う。 「『また明日』。」 繋がれた手は、離れていった。