あの時? 分からない 何も覚えてない 「…誰?」 勘に障ったのか、少し眉間がピクッと動いた。 「覚えてねぇか。そりゃそうだろうな。」 男の人は歩みを止めない。 必然的に私は後退りした。 「お前とあの黎術生のせいで、俺達とんだ恥かかされたんだぜ?」 黎術生? 夏の事も知ってるの? 背中に何かが当たる。 壁だと、直ぐに理解した。 「近づかないでっ!」