カランカラン…―
外に出ると、秋なのにまだ暑い空気が漂う。
それと同時に、今までの甘い空気が一気になくなっていく。
あの匂い好きだったのに…
なーんて心の中で少し残念に思う。
人が行き交う中、私もゆっくりと歩きだす。
「はい、じゃあ移動!」
ザビエルのその一言と共にさっきまでザビエルの声しか響いてなかった教室は、椅子と床が擦れた音やしゃべり声でうるさくなる。
「李夜~☆1人で大丈夫??」
ハルが話しかけてきた。
「無理ッ!!つか1人で行かなきゃなんないんだけどね…」
「そだね!」
ぢゃあいってらっしゃい!!
ってハルは教室を出ていこうとする私に笑って手を振る。
今は授業中。っていうか学活で、体育祭練習のための時間。
そして今、私は校庭に向かっている。
“あの”二人三脚の練習のために…
「あーあ。ほんと嫌だなァ…」
ぁたし、人見知りすごぃんだってば。
なんて心の中で訴えてみても、もうくじ引きで決まっちゃってる事に文句は言えない。
憂鬱………
短距離よりも、そっちの種目が大事だからお前は今日そっちに行くんだぞ?
って言ってたザビエル。
て事は、
短距離はもちろん、
全学年女子だけがやるダンスの種目練習の時よりも、
学年で競い合う学年種目の練習の時よりも、
今年初の二人三脚の種目練習が優先されちゃうのッ!??
あー…だる…
糞ぢゃん
ぁたしダンス楽しみだったのに。
去年のダンスだってめちゃくちゃ楽しかったし。
今年はかっこいいって聞いたからすごい楽しみで…。
…諦めょ…

