「ったく……」
今度はあたしがため息をつく番だ。
「どんな真面目話かと思ったら。正座して損したじゃねーか。」
「うっ……」
「や、まあお前にとっては一大事だったんだろうけどね、うん」
「一大事でした…すごく……」
「でもさ、そんな最初からあたしの気持ちまで決めつけてしまうなっつーの」
「ごめんなさい…」
「やや、いいんだけどね別に。いいんだけど、でもあたし今まで通りでいくつもりですから。」
きっぱりと。
最後まで言い切ったあたしの顔を、春人は弾かれたように見上げた。
丸い目がまた更に大きくなっている。
そろそろ落ちるんじゃないだろうか。その眼球。
「え、い、いいんですか…!?」
「いいもなにも。春人があたしの高校に来た瞬間から決まってますし。」
「あの、でも…たぶん、学校に行くのはアンドロイドさんの方が多いと思いますよ…?」
「それならそれで別にいいよ。充電もしてやんよ。」
「えっ…!?」
「断る。」
春人が驚きの声を上げた直後、今の今までそっぽを向いていたアンドロ以下略さんが突如発言した。
しかも久しぶりの発言が拒否の一言である。
上等だ。


