――ピーッ!


グッドタイミングとかいうわけではないけど、あたしが頭の中で“アンドロイド”という単語を出した瞬間に電子音が鳴ったので良しとしよう。

いや何がって感じなんだけど。

春人の部屋のベッドにあぐらをかいて座っていたあたしは、隣の部屋から聞こえてきた電子音に顔を上げる。

それと同時に春人が立ち上がったので、更にその顔を見上げる形になった。


「…もしかして今の音は充電が終わりました的な意味かい」

「あ、はい、そうですっ」

「……なんかホント携帯なんじゃねーの…」

「あははっ…俺も最初ちょっと思いました…」


曖昧に笑いながら、春人はアンドロイドクンの様子を見に行くためか、部屋を出て行った。

携帯的な存在のアンドロイドクンとかかわいそうすぎる。

あすごい余談なんだけどあたしがあぐらをかいて座れるのは下に短パン穿いているからであって穿いてないJKさん方はやらないほうがいいです見えます。

ごめんそういう問題じゃないよね女子があぐらをかくのはあまりよろしくないよねってどうでもいいね。


ガチャっというドアが開く音に、いつものごとくどうでもいいことしか考えてなかったあたしの脳みそは、いったんその思考回路を止める。

顔は上げたままだったから、明後日へ放り投げていた視線だけをドアの方へと向けた。


なんていうか思わず二度見したね。


だってモロおんなじ顔が二つあるんだもん見ないわけがねーよっていう。

リアルドッペルゲンガーを目の当たりにしてしまった感覚だよ。

片方絶対死んじゃうアレだよやめろよ怖ぇよなんでもねーよ。