「つまり桜井家一族には子供は原則一人しか授かれない決まりになっていてしかし神のいたずらとでも言うように双子ができてしまってだけど母上は大切な我が子を殺されたくないとどちらか一人を山小屋に隠してそこで育てていたのだがしかし普通の生活をしていた方の一人が虚弱体質で学校にあまり行けないという状態に陥りどうにかしないといけないと母上は山小屋に隠していたもう一人を代わりとして学校へ通わせることにしたわけだ。」
「…………。えーっと、あの、先輩、どこからそのネタ持ってきたんですか…」
「映画だ。」
「そ、そうですか…」
「うん。」
「…………。」
「…………。」
「……それで、先輩、俺の説明聞いてました…?」
「えなんのこと。」
サクッとさらっととぼけてみせたら、目の前の後輩クンは「はあ~…」と大きなため息をついてうなだれた。
ため息をつくと幸せが逃げるんだぞ。
もったいないぞ。
お前にはまだまだ輝かしい未来があるだろう!
とか自分マジ熱いわーホント熱いわー心の底からどうでもいいわー。
っつか現実逃避とかしてる場合じゃねーわー。
やべーわー。マジやべーわー。
何がヤバいってもうどう説明したらいいかわかんねーくらいにはやべーわー。
ごめんなさい嘘ですちゃんと説明します簡単に言うとさっきあたしが支えて帰ってきた方の春人クンはアンドロイドだったようですそういうことなんですごめんなさい。