充電終わったらキスしよう





なんとなく、押しつけがましいかなとも思った。

でもその通りでしょうとも思う。

どんだけ、一緒に居たと思ってんの。


春人は何も言わなかった。

肯定も否定も、何も。

ただ黙って起き上がり、ベッドから足を下ろした。

そのまま立ち上がりながら、「…着替えてくる」とだけ言った。

手嶋先生にお礼を言いながら保健室を出ていく華奢な背中に、あたしは「昇降口で待ってるから」と、それだけ伝えた。


春人に向かって、“昇降口で待ってるから”なんて、初めて言った。




*****




こんなに歩調が合わないのは史上初だ。


「…………。」

「…………。」


こんなに無言なのもありえない。

鞄を肩にかけ、ポケットに手を入れてスタスタ歩くあたし。

の、数歩後ろをついてくる春人クン。

普段のアイツだったら絶対あたしの隣に並ぶのに。

もうホントうざったいくらい隣に並ぶのに。

お前はあたしがヘッドホンしてんの気づかねーのかよってくらい隣に並んで話しかけてくるのに。

今じゃそれが嘘だったみたいだ。