「あなたその…桜井くんとは、昔からの知り合い…なのよね…?」
たぶんこの間、まだ正常(?)だった春人がぶっ倒れて保健室に来たときのあたしとのやり取りでわかったんだろうと思われる。
あたしが保健室に残る宣言したアレ。
黒歴史的なアレ。
まだ歴史じゃないか。
「…まあ、そうですけど」
「じゃあその…」
「…………。」
「……その、ね…」
「…どうかしたんですか、春人が」
何度も言葉に詰まる手嶋先生に、あたしは少なからず違和感を覚えて自分から問い詰めてしまう。
いや、まあ、ね。
どうかしたんですかとか自分から聞いておいてあれだけど、どうかなってんならそれあたしが聞きたい。
先生春人クンはどうしちゃったんですかアレですかやっぱり二重人格的な厨二病的なアレですかそうなんですかどうですか。
答えを知っているor何か勘付いているなら教えてください心の底から。
そう、あたしが更に問い詰めようとした直後。
「あらっ」
さっきまで言葉を詰まらせていたはずの手嶋先生が、あたしの後ろに視線をよこし、いつも通りの声色で口を開いた。
先生、あたしはアナタの“あらっ”が聞きたいんじゃなくて何か知ってるならそれを聞きたいんですけどちょっとマジ先生教え、
「目が覚めたのね~桜井くん」
なんだと。


