あんなに態度とか、口調とか、変わりまくってるのに。
寝顔だけ、やっぱり、変わってない。
意味わかんないから、あんたさ。
別人なの、それとも本人なの。なんなのもう。
「…朝倉さん」
不意に呼ばれて、あたしは顔を上げて振り返る。
手嶋先生が、いつもと変わらないような笑みを浮かべてあたしを見ていた。
「…迎えに来たのよね?」
「え……」
「桜井くんのこと」
あたしの肩にかかる鞄を見てわかったのか、それともとっくにわかっていたのか。
あなどるなかれ、おそるべし保健室担当手嶋。
けれどあたしはうなずけず、だからといって否定もできずに口ごもる。
これじゃ未来が言ってる通りじゃないか、あたしがクーデレだとかツンデレだとか。
違うぞ。断じてあたしはそんなんじゃないぞ。
……いや、たぶん。
「あのね、朝倉さん」
「え、あ、はい?」
どうでもいいこと考えてたから突然会話を振られて超焦った。
こういうときくらい落ち着け、脳みそ。


