「一日観察してみたら？」
現実逃避をし始めたあたしの脳内に、未来さんのこれまた突拍子のないある意味STK（ストーカー）発言が飛び込んできたので非現実度が高まりました。
いや高まってどうする。
「……はい？」
自力で現実に戻ってきたあたしは、窓に預けていた頭を起こして未来を凝視する。
対する未来さんはケロッとした表情で、もう一度。
「だから、観察してみたら？」
「……なにを？」
「春人クンを」
「……なんで？」
「何かわかるかもしれないじゃん」
「……なにが？」
「さっきっからWhatWhatうるっさいわねWhy!?」
「どこからツッコめばいいですか。」
「どこからでもかかってきなさい。」
面倒なので“逃げる”を選択しました。
「…観察っつったって、何をどう観察したらいいのさ」
「そんなの知ったこっちゃねーわよ。」
キサマ。
「ま、目で追っかけるだけでも何かわかるかもしれないしー。あとはご自分でがんばって！」
「果てしなく“他人”だなお前。」
