両手をブレザーのポケットに突っ込んで、背もたれに寄り掛かる。
そのまま頭を窓に預けると、だだっ広いグラウンドが見下ろせた。
「…どこぞの病み気味不良女子高生に見えますわよキョウちゃん」
「黒髪だから不良じゃないです。」
「そこかよ。」
「重要だろ。」
「まあたしかに黒髪は重要だけどね!ただしイケメンに限るみたいな!」
「いやお前の好みとか聞いてないから。」
「そんな死んだ魚の目でツッコまれても続けてボケられないからどうにかしなさいよ。」
「お前はなんだ漫才師目指してんのか知らなかったゴメン。他当たって。」
「さらっとフラれた未来さんマジ涙目。ってそうじゃなくてさー」
さっきまであたしの鼻先をつついていた手で机を叩きながら、未来は眉根を寄せる。
「そんなヘコむくらい気になってるならさー」
「え何が」
「春人クン」
「別に気になって、ない、し」
「キョウちゃんって嘘つけないよねうん知ってる。」
イラッ☆
「キョウちゃんのそのクーデレな部分って可愛いと思うよ!」
「黙らっしゃい。」
「でも事実気になってるんでしょー?」
「…………。」


