今まで一度も、ノアの声で聴いたことはなかった言葉。
ずっと、嫌いと言われていた声で。
大好きって、言った。
言ってくれた。
言ってくれた。
「……あたしも…」息が詰まって、苦しい。「……ノアが大好き…っ」
ずっと聴きたかった。
ずっと言ってほしかった。
もっと、好きって言ってほしかった。
ノアの右手が離れる。
あたしはゆっくりと、顔を上げた。
涙で濡れた顔よりも、笑顔の方がよかったのに。
歪んだ視界に、ノアが映る。
もっとちゃんと、記憶に焼き付けておきたくて、涙を拭った。
目が合う。
……あぁ、ノアだ。
ノアが居る。
傍に、居たんだ。
忘れない。
ノアが忘れても、あたしは忘れない。
あたしが忘れなければ、ノアは居る。
どこにでも居る。
傍に、居てくれるから。


