その冷たさが、終わりを告げているようで。
あたためようと握り締めた。
冷たくならないで。
動いていて。
生きていて。
「……あたしの涙なんか、拭えなくてもいいから…っ」
あったかくなって。
「……明日、遊ぶって、約束したんだから…っ」
動いていて。
「……もっと、ずっと、一緒に居て欲しいから…っ」
生きていて。
とめどなくあふれる涙が、ノアの手に落ちて行く。
その涙の方が、彼の体温よりも、あたたかい。
だけどもう、あたためるには足りなくて。
冷たい。
冷たい手。
それでもあたしは、この手が好きだよ。
「……ミャーコ」
呼ばれて、顔を上げる。
涙でひどいであろうあたしの顔を、けれどノアは、やわらかな笑みであたしを見つめた。
ノアの右手が、あたしの手を握る。
左手をもこちらに伸ばし、彼は言う。
「――……抱き締めても、いい?」
そう、精一杯伸ばされた腕の中に、あたしは迷いなく飛び込んだ。


