そんなあたしをノアは見ている。
冷たくなんてない、瞳で。
「……やっぱり、ミャーコには言わない方がよかった、かな。」
――『言わない。』
『なにそれ言えないこと?』
『言ったら、あんたがまたうるさそうだから。』
さっき、噴水の縁に座って、話していた言葉が脳内で響いた。
……これだったのか。
「……うん、言わない方が良かった。」
「もう言っちゃったし。」
「またそんなこと考えてたんだ…」
「考えてた。」
「もう自分は居なくていいとか、考えてたんだ。」
「考えてた。」
「バカでしょ。」
「バカだよ。」
「居なくていいとか、あたし言ったことない…」
「……でも、もう必要ないでしょ。」
「なんでそんな……」
「ハルは毎日、楽しそうだ。」
「…………っ」
「倒れるけど、風邪を引くけど、周りのクラスメイトが、助けてくれるでしょ。」
「…………っ」
「助けてくれる人が居るなら、身代わりは必要ないよ。」
「…………っ」
「俺の役目は、身代わりだよ。」
身代わりなんて、そんなこと言うな。


