まあ、ね。
人間言いたくないことだってあるとは思う。
その辺は理解できるさ。あたしだってあるから。たぶん。
でもなんていうかその、ほら。
言いたくないなら言いたくないとか、お前には関係ねーよキリッ、くらいはできないかな春人クン。
なんにもなしにここまで態度変えられるとあたしはどう対処していいのかわかりませんのことよ。
対処ってなんだよって話だけどね。対応って言葉の方があってるだろうか。
とにもかくにも、はっきり言ってあたしはまだ心配なわけだ。
春人自身はもう平気だって思ってあの態度を取っているのかもしれないけど、少なくともあたしはそう思えてない。
中学時代にどれだけヤツの介護、じゃなかった、看病したことかって思い返すと、高校でも不安は拭えない。
こっち向いて吐かれようが看病するたびに授業サボる運命になろうが、あたしは高校でも春人の看病するつもりでいた。
当然一緒に居る気でいた。
この間まで春人だってそれがいいって言ってたじゃないか。
さっそく高熱出しやがったじゃないか。
あたしの手を冷えピタ代わりに使ったのはどこの誰だよお前だよ。
おかげであたしの手はぽっかぽかのぬっくぬくになったよ眠くなったよコノヤロウ。
あと、別に自分の手冷たいからってそんなに気にしなくてもいいかなって思い始めたじゃないかチクショウ。
あんたの冷えピタ代わりになるならいいかもしれないなんて思ってたり思ってなかったり思ってたりするわけじゃないけどさ。
……とか、思わずため息が出た。


