学校行事も大変で、教育合宿も波瀾万丈すぎた。
「あの時さ、手嶋先生が理解してくれたからよかったよね。」
「あの人何者なの。」
「あたし等もよくわからんわ。とりあえず手嶋先生マジパネェっていう。」
「たしかにね。」
「やー教育合宿はホント大変だった。」
「泉が迎えに来てくれたんだっけね。」
「そうだよアイツが手伝ってくれたんだよ奇跡かと思ったよ。」
「あの時は充電切れかけであんま記憶ないけど。」
「記憶しとけよ。」
たぶんあの時すでに、っていうかノアのことはあたしより前に知ってたはずだから、なんだかんだ、一番裏方で動いてたのは泉だったかもしれない。
ヤツにも感謝しなければ。
そうやって、てんやわんやで過ぎていった春の、次に来たのが梅雨。
未来さんの件があった時期だ。
「あれ、もうそんなに前だっけ。」
「ミャーコ記憶薄すぎでしょ。」
「お前と違ってデータ化されないからな。」
「うるせー。」
「でもちゃんと覚えてるし。」
「何を?」
「ノアが迎えに来てくれたこと。」
「……あったね、そんなこと。」
あったね、なんて言うな。
あたしはあの時、救われた気がしたんだからな。
ぐるぐるひとりで彷徨っているとき、ノアが傘をさしかけてくれたことで。
あたしはあの時、踏ん張れたんだぞ。


